門から中へ入った雷太は、改めて庭を見回した。

 「うわぁ・・・。何この土地の無駄使い・・・。」

 巨大な庭には門から家まで延びる長い一本道があり、それ以外の殆どの場所は短く、丁寧に刈り込まれた黄緑色の若芝が生えている。

 また、庭のところどころには、噴水やプールなどのいわゆる『セレブ装備』がたくさんある。

 配置もよく、景観を崩していないので、これほど美しい庭もめったには見られないだろう。

 「・・・くそ・・・どんだけ金かけてんだこの家は・・・。・・・俺もこんな広い家が欲しいぜ・・・・・・。」

 雷太は歩き出した。



 ―――――――10分後―――――――



 雷太は玄関に着いた。

 「・・・やっと着いた。・・・・・・さて。」

 彼は玄関のドアを引いた。



 ガッ・・・・・・



 「ありゃ?」

 開かない。鍵が閉まっている。

 「???・・・クロって玄関に鍵をかけるようなやつだったっけ?・・・・・・ますますおかしい・・・。
  ・・・・・・あっ!っていうかこの状況じゃあもう1回呼び鈴押さなきゃならねーじゃねーか!!
  ・・・・・・・・・。(本当に女の人だったらどうしよう・・・・・・。・・・シクシク・・・・・・。)」

 雷太は指先を震わせながら、玄関の呼び鈴を押した。

 ビ――――――

 ・・・・・・タタタタタタタタ

 人が玄関へ走ってきた。