秋葉は巨大な火蛇蜥蜴を放つ。
 少々動きは遅いが、どうみても一撃必殺だ。

 雷太はかすりながらも、なんとか避ける。

 「ぐっ・・・!」

 服と腹部がかすかに燃えた。

 秋葉はすぐさま追撃のため火蛇蜥蜴をバックさせる。

 火蛇蜥蜴が、再び雷太へ向かおうと急停止する。

 雷太は後ろを見ていない。
 見ているのは・・・・・・・・・秋葉のみだ!

 雷太の手が一瞬光る。
 魔力が集中した証拠だ。

 「水魔法『爆破水放出(スパート・CH3NO2(spout carbon hydrogen3 nitrogen oxygen2))』!!」

 雷太の手からまた水流が放出した。

 秋葉は再び、手で止める。

 しかし、先程より水流ははるかに弱い。
 幼児がやる水掛遊び並だ。
 秋葉はガードすら止めた。

 雷太はかすかに微笑する。

 「・・・なんだこれは・・・。・・・これがお前が『準備』していたものか・・・?」

 秋葉は失望の色が隠せない。
 相手は第一級魔導士。少しは恐怖していたのだが・・・。

 出たのは、『少々変な臭いのする弱い水鉄砲。』

 杞憂だった。

 それが怒りへとつながる。

 「・・・失望した・・・。
  ・・・これ以上は付き合わん・・・・・・。
  ・・・俺はこの臭水を蒸発(け)し飛ばし、お前は火蛇蜥蜴に焼き食われる・・・・・・!
  ・・・・・・・・・・・・・・・終わりだ・・・!!」

 雷太は臭水の放射を止めた。
 ・・・そして・・・・・・笑う。

 「ああ・・・、俺の勝ちだ。」

 秋葉は驚くとともに更に火がついた。

 「ふざけるな・・・・・・!
  行け、火蛇蜥蜴・・・!!
  ・・・・・・・・・ハッ!!」

 火蛇蜥蜴が動く。大口を開け雷太に突進する。

 雷太は動かない。

 秋葉の体から火が噴出――――――



 ドォオン!!!



 秋葉の体が・・・・・・爆発した。