雷太が水の放出を止める様子はない。

 「・・・なるほど・・・。・・・相手が燃えると分かれば濡らすか・・・・・・。」

 秋葉はつぶやいた。
 確かに、普通は濡れれば燃えない。

 「・・・正論だ・・・。・・・だが・・・、ハアアアアアア・・・!!」

 ジ・・・ジジ・・・ジウウウウ・・・!

 「・・・・・・?(なんだ・・・?)」

 秋葉の手から妙な音が聞こえる。
 そしてそれは、次第に大きくなるようだ。



 ・・・ボオゥ!



 「・・・・・・なっ!?」

 秋葉の手から炎が噴出し、水を押し返した。
 いや、違う。炎が噴出したのではない。
 まるで水が・・・・・・・・・・・・。

 「・・・・・・・・・・・・・・・。」

 雷太は水の噴出を止めた。
 水は完全に炎に包まれる。

 「・・・マジかよ・・・。まさか水まで・・・・・・・・・。」

 雷太の言葉に、秋葉は冷静に返す。

 「・・・その通り、俺の能力は触れるものを燃やす能力。
  ・・・それが例え水だろうが燃やす事が出来る・・・。
  ・・・その気なら、足に触れているこの建物全てを燃やす事も・・・・・・・・・可能だ・・・!」

 兵が一瞬ざわつく。

 「・・・最も、部下の命を守るのも上官の責務。そのような事はしない。
  ・・・俺の体を濡らそうとしていたようだが・・・・・・。・・・・・・ハッ・・・!」



 ボオオウッ!



 秋葉の体が、一瞬火に包まれた。

 「・・・!?」

 全身が燃えたためわずかなダメージはあるが、
 当然、水は一瞬で蒸発する。

 「・・・俺にとって水は弱点ではない。何をしてこようが、全て燃やす・・・。」

 「・・・・・・・・・・・・・・・。」

 雷太の頬に一筋汗が流れた。