秋葉は剣をかわし、雷太は拳をかわす。
お互いに一撃も入らない。
「・・・・・・。(こいつはさっき紙を燃やした・・・。・・・それ以来何もしてこないが・・・。
紙を燃やす能力か・・・・・・?)」
まずは相手の能力を知らなければ余りにうかつな事はできない。
雷太は拳をかわす勢いそのまま突きを繰り出した。
「・・・それを待っていた。」
「・・・・・・・・・なっ!?」
剣は秋葉の左わき腹を薄く裂き、空を突いた。
血が舞うのも構わず、秋葉は剣を上からつかみ、地へと押し落とす。
「ぐっ・・・!」
雷太は力を入れるも、自重と秋葉の力体重がかかった剣は思うように上がらない。
そのまま秋葉は拳を出した。
雷太は首を横に曲げて交わす。
『運よく、どこにもあたって』いない。
が、彼の真の狙いはここだ。
「・・・・・・・・・・・・。(・・・残念だったな。・・・俺はお前に触れさえすれば・・・。)」
秋葉は引き手に見せかけ、死角から雷太の首をつかん――――――
「炎魔法『火球(ファイア・ボール(fire ball))』!!」
「・・・!!!」
雷太の首に触れようとした矢先、それよりも早く雷太の手から火の塊が飛び出した。
以前ラドクリフにくらわせた『ヤイバ』よりも大きい。
直撃。
これで秋葉は気絶すると同時に吹っ飛――――――
「・・・・・・・・・・・・。」
――――――ばない!!
薄い煙が晴れた先には、秋葉が既に拳を構えている。
衝撃で少々下がっただけだ。
「!!」
ガキィン!!
寸前で剣を上げガードした雷太は衝撃で後ろに下がる。
「・・・・・・・・・ぐ・・・。(馬鹿な・・・。炎が効かない?)」
しかも・・・・・・・・・、
ボオゥ・・・!!
シルヴァトゥースがいきなり炎をあげて燃えた。
「な・・・・・・・・・!」
しかし、炎はすぐに消える。
シルヴァトゥース自体には、なにも影響はない。
「・・・・・・・・・。(また燃えた・・・。剣が?・・・・・・・・・・・・まさか!)」