秋葉は服をはたきながら一歩前に出た。

 「・・・ようやく魔法を出したか・・・。
  ・・・しかし、分かっただろう。・・・俺には魔法が――――――

 「ああ、よく分かったぜ。」

 雷太が秋葉の言葉をさえぎり言う。

 「お前の能力は・・・・・・、『触れたものを燃やす』能力だ!!」

 一瞬、兵がざわつく。
 当然だが、兵は秋葉上官の能力を詳しくは知らない。
 それを、あの男はもう分かったというのか?合っているのか?

 そんな兵達を横目で見た後、秋葉は小さくため息をついて言った。

 「・・・正解だ・・・。」

 兵が再びざわつくが、秋葉はそれを無視する。

 「俺の能力の名は『フレアブレイカー』。
  触れたものを燃やす事ができる能力だ。限度はあるがな。」

 「つまり、炎魔法は効かないって事か・・・・・・。」

 雷太はつぶやいた。

 「・・・理解が早い。・・・そう、『触れて燃える』という事は、
  常に触れている状態の俺の体には火は殆ど効果をもたない。」

 「・・・・・・・・・・・・。(・・・・・・殆ど?)」

 よく見ると、秋葉の皮膚が少々焼けている。
 ただ、余りにもわずかなので、あと何回同じような攻撃をしようが、倒せないだろう。

 「なるほど・・・・・・。」

 雷太は笑った。

 「じゃあ、水でいくしかないな。」

 「・・・弱点を突くか・・・・・・面白い。」

 二人は再び構えた。



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