第27話 “雷太VS.秋葉”


 雷太はシルヴァトゥースを抜いた。

 「・・・銀色の大剣か・・・。お前は剣術も達者と聞く・・・・・・。」

 そう言いながら秋葉は手袋をはめた。

 「・・・・・・・・・・・・。(ただの手袋じゃねえな・・・。)」

 ガキィン・・・!

 秋葉が拳と拳を打ちつけ、金属的な音が響いた。

 「・・・・・・。(やはり、金属入りか・・・。)」

 そう思いながら、雷太は構えた。

 秋葉も、構えこそ取らないが、準備はいいらしい。

 「・・・・・・・・・いくぜ。」

 「・・・来い。」



 雷太は地を蹴った。
 勢いそのままに右上に斬り上げる。

 それを後ろにのけぞりかわした秋葉は、雷太へと手を伸ばす。

 ――――――が、

 「・・・!!」

 秋葉は地を蹴り後ろへ飛んだ。
 その髪を、大剣がかすめる。

 距離を少し開けて秋葉は言った。

 「・・・速いな。」

 「お互い様だ!」

 二人は、今度は同時に地を蹴った。



 「・・・・・・・・・・・・・・・。」

 周りの兵たちは声が出ない。

 本来なら秋葉を応援するべきところだ。
 いや、確かに彼らは最初秋葉を応援し、雷太に罵声を浴びせていた。
 が、今は二人の見事な攻防に息をのんでいる。

 こんなにも高速の攻防が、こんなにも長く続くものなのか?

 皆その思いを胸に、戦況を見つめている。