デュークは慌てたように明るく言った。

 「あ、ごめ〜ん。暗くなっちゃったね。」

 すぐさま健が続ける。

 「まあまあ、暗い話はそれぐらいにして、これからどうするか考えましょう。
  どうします?もう家もなくなりましたし、直接行きますか?」

 「そうだな・・・。もう荷物とか取りに戻れないし、行くか?」

 D・Jが答えた。

 「うん。・・・・・・でも、余り街中とかを歩きたくないな〜、僕は。」

 「・・・?なんでですか?」

 雷太が聞いた。

 「実は僕には元々賞金がついててね。なんでついてんのか分かんないんだけど。
  この前世界政府に文句言って取り消させたんだよ・・・・・・。
  でも、それをまだ知らない賞金稼ぎとかがまれに狙ってくるんだよね〜。」

 「はぁ・・・、いくらなんですか?」

 「ん〜・・・、いくらだったけ?健ちゃん?」

 「元8600万Rです。」

 健は即答した。

 「は、8600万!!?」

 《雷太君の28倍+200万Rだ!!》

 そしてクロとヴァンの約二倍。

 賞金稼ぎが狙ってくるのも無理はない。
 デュークは見た目には弱そうだし、その男に8600万もついているのだ。
 クロやヴァンを狙うよりはよっぽどリスクが低いと思うだろう。
 まあただ、彼が不死なのともう賞金がかかっていない事、そして最強の護衛の存在を知らないわけだが。

 「そういうわけで街を通らずにクロぷ〜の家に行きたいんだ。」

 「はぁ・・・、でもどうやって・・・。」

 「たぶんですが、クロさんはこのために、貴方をこちらへ向かわせたんだと思いますよ。」

 健が微笑して言った。

 「俺をこのために?・・・・・・・・・・・・あ!なるほど・・・。」

 そう、雷太ならできる。そしてブラックメンでは雷太しかできない。

 『ワープ』だ。

 これなら、一瞬でクロの家にいける。誰とも会わない。

 「そういうわけだ。『ワープ』、頼めるか?」

 D・Jが言った。

 「そういうことなら、分かりました。
  あ、でも俺は一緒には行きませんので。」

 雷太は言った。