4人は歩いている。

 D・Jは啓太に話しかけた。

 「ねぇ啓太ぁ。『霞ちゃん』と『建太朗君』がいないけどどっかいったの?」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・私事。」

 啓太は無愛想に返事をした。

 その様子を見ていた雷太は、健にこっそり話しかけた。

 「・・・・・・ねえ、健さん。」

 「ん?なんですか?」

 健も空気を読み声を落とした。

 「なんか俺、啓太君に相当嫌われたみたいですね・・・。(汗)」

 健は既にその問いを予想していたらしい。

 「いや、そんな事はありませんよ。啓太さんはいつもあのような感じですし、
  むしろ今日は機嫌がいいくらいですよ。」

 雷太は、声に出さずに驚愕した。

 「そ、そんなもんなんですか・・・?(汗)」

 「はい。」

 そうこう話しているうちに、ようやく向こうに扉が見えた。
 他の扉と違い、鉄で出来ている頑丈な扉だ。

 「あれがデュークさんの部屋ですよ。」

 健が言う。

 扉の前まで着くと健がノックした。
 厚い鉄を叩く音が、静かに響く。

 「デュークさん、入りますよ。」

 健が言った。
 すぐに声がする。

 「は〜〜〜〜〜〜い。」

 男にしては結構高めの声だ。少しヴァンに似ている。

 健は声を確認すると、鉄の扉を難なく開けた。

 部屋の中は多くの実験道具や化学薬品、剣や銃、ミサイルまで様々なものが置いてある。
 その中で緑髪の小柄な人物が鉄のマスクを被り、バーナーで何かを焼いていた。
 どうやら、新型ミサイルの開発中らしい。

 やがてその男は雷太たちが入ってきたことに気が付くと、鉄のマスクを外し向き直った。
 写真どおりに小さな鼻眼鏡をかけ、長い髪をポニーテールにし白衣を着ている。
 唯一違う点といえば、首にかけたゴーグルぐらいだ。

 「あらら、みんなおそろいで・・・。」

 彼は皆の顔を見回した。

 「え〜っと、まずは・・・・・・雷ぷ〜からかな。」

 「・・・ら、雷ぷ〜???」

 雷太は驚いた。
 なれなれしいというか、無邪気というか・・・。

 「初めまして雷ぷ〜、僕の名前は『デューク・ウォルフガング・ジャーメイン・ハンター』、よろしく〜♪」

 デュークは右手を差し出した。
 雷太は握手と挨拶を返す。

 「初めましてデュークさん。龍 雷太です。よろしく御願いします。」

 デュークは明るく笑った。

 「呼び捨てか『ちゃん』でいいよ。
  まあ、僕の方が年上なんだけどね。・・・てへへへ。」

 「・・・・・・・・・。(てへへ・・・?・・・デュークさんって普通の大人なのに、
  言動や行動が子供っぽいな・・・。・・・・・・・・・・・・誰かに似てるような気がする・・・。)」

 雷太は心の中で突っ込んだ。

 《・・・・・・・・・ヴァンだな・・・。》