その階段もボロボロだ。
 雷太は少し不安になった。

 しばらく進むと再び重厚な扉があり、D・Jが開けた。



 再び白の世界・・・・・・・・・?



 雷太は一瞬目を疑った。

 目の前には余りにも巨大な、そして白で統一された廊下が現れた。
 いや、大きさ的にはもう『広間』と呼んだほうが正しいか。
 その余りの大きさに、左右奥は霞んでいる。
 整然と横に並んだ茶色の扉が目立って見える。
 ここと一階より上は、まるで違う世界のようだ。

 「・・・・・・・・・・・・すげえ・・・。」

 雷太は正直な感想を漏らした。

 D・Jは嬉しそうに笑う。

 「そうでしょ。ここは結構気に入ってるんだ。」

 2人は右に曲がり、白の広間を歩く。

 と、雷太が思い出したように言った。

 「そういえば俺、クロから預かった『手紙』持ってるんだけど、見なくていいんですか?」

 D・Jは不思議そうな顔をする。

 「・・・?・・・・・・それは、デュークあてじゃ・・・?」

 「いや、そうなじゃくて・・・・・・身分証明みたいな・・・。」

 D・Jは笑った。

 「ああ、いいのいいのそんなもん。・・・そんなの気にするのうちの『健さん』ぐらい・・・・・・。」

 ふいに彼らの右斜め前の扉が開き、人が出てきた。

 きれいな金髪の青年だ。
 左腰に柄の先端が三つに分かれた剣を差し、手には書類を持っている。

 「聞きましたよ、D・Jさん・・・。」

 笑顔を作りながらも、青年は怒っているようだ。

 「・・・・・・げ・・・・・・・・・、健さん・・・。」

 「駄目じゃないですか!念のためにちゃんと確認しないと!!」

 D・Jはたじろいだ。
 雷太はぽか〜んと見ている。