第21話 “古の城の面々−D・Jと健−”


 「・・・・・・・・・・・・ロボット!??」

 雷太は驚愕した。

 「そう、・・・・・・個人的にはロボットじゃなくて、機械って呼んでほしいんだけどね。」

 しかし、D・Jはどう見ても人間か人間型魔族だ。ロボットなんて信じられない。

 雷太の疑う顔にD・Jは気付いたらしい。

 「・・・まあ、見た目には分からないか、・・・・・・ほら。」

 D・Jはいとも簡単に腕を外した。
 中に配線は無いが、全てが機械で出来ている。

 「うわっ!ほんとだ・・・。・・・見た目には分からないな〜。」

 「まあ、触った感じも人肌と殆ど変わらないしね。」

 そうこう言っているうちに城の入り口に着いた。

 《ちゃんと歩きながら話してました。》

 真っ黒な、重量感のある巨大な扉だ。
 これも使い古されているらしく、ボロボロだ。

 「・・・・・・・・・・・・。(これ、開くのか?)」

 少なくとも何tかはありそうな扉だ。
 しかし、スイッチや紐などは見当たらない。あるのは取っ手だけだ。

 「じゃあ、開けるよ。」

 D・Jはそう言うと取っ手をつかんだ。

 激しい音と共に、ゆっくりと扉が動く。

 「・・・・・・・・・凄えな・・・。」

 雷太は正直に感想を言う。

 「まあ、機械だからね。
  ・・・・・・ようこそ、『古の城』へ。」

 「『古の城』?」

 「ここの名前だよ。・・・・・・本当は正式な名前があったらしいけどね。
  今では、誰もその名を知らないんだ。」

 「へぇ〜・・・・・・・・・・・・、うわ・・・。」

 扉の向こうは、ひどいありさまだ。
 一階なのだが殆どの部分が崩れ、上へと続く階段は岩でふさがれている。

 「だから一階は一部なのさ。・・・・・・こっちこっち」

 D・Jは右に曲がった。よく見ると、地下に続く階段がある。