雷太は歩いていた。

 彼の左側には、5分ほど前からずっと同じ壁が続いている。

 それはまるで刑務所の壁のように高く、淡い灰色だが、上には立派な装飾が付いている。

 実はこれ、ただの壁ではない・・・・・・・・・塀なのだ。

 つまり、一つの家を仕切るためのものなのである。

 《マジかよっ!相当にでかい家だな!?》

 そうです。



 ――――――10分後――――――



 雷太はようやく、その家の門の前へたどり着いた。

 門の横には表札があり、名前が書かれている。

 『氷上=P・クロ』

 その名前の人物が、この異常に大きい家の持ち主らしい。

 《Pはパン○ースのPです。》

 あほか貴様は!!・・・・・・・・・Pは不明である。雷太ですら知らない。

 副総長ですら知らないのだから、彼の本名を知るものは殆どいない。