『このまま真っすぐ直進すれば、いずれはデュークの家に着く。・・・・・・ザザ――――!!』

 雷太は後ろを振り向いた。しかし、向こうは雪霞のおかげで全く見えない。

 「まあ、行けば分かるか・・・。
  ・・・・・・ってかこの録画いつまで・・・?」

 『ザ―!・・・一応行っておくが、この飛行機からはすぐに離れた方がいい。』

 「?・・・なんで・・・・・・・・・。・・・・・・げっ!まさか!?」

 雷太は慌てて飛行機の後部を見た。
 橙色の液体燃料が、機体からドクドクと流れ出ている。

 《・・・お約束だな・・・。》

 「・・・・・・・・・!!!」

 雷太は青い顔をして、声も発さずに駆け出した。



 ドォン!!



 雷太のその行動を待ったかのように燃料は爆発し、飛行機は吹っ飛んで地上へと落ちていった。

 辺りには少量の火の粉と、機体の破片がぱらぱらと降り注ぐ。

 「あっっっぶね〜!!」

 なんとか危機を奪した雷太の足元に、テレビがころころと転がってきた。
 まだなんとか付いている。

 『・・・・・・・・・・・・予想外のザ―・・・事態だ。』

 「嘘付け!そこまで録画してるって事は予想済みだろ!」

 『ザ、ザザ――!ザ――――・・・・・・・・・・・・プツン。』

 配線を失ったテレビは完全な砂嵐となり、やがて消えた。

 雷太は立ち上がる・・・。

 「とにかく、まっすぐ進めばいいんだな・・・。」

 彼は雪霞の濃いほうへ向かって歩き出した。