―――――― 一方その頃。



 クロと例の『情報屋ギン』は話の真っ最中だ。

 「実はな・・・、さっき入った情報なんやけど・・・・・・。」

 ギンは言いにくそうだ。まずい情報らしい。

 こいつがこういうときは本当にろくな情報が無い。クロは静かに言葉の続きを待った。

 「IFPが・・・・・・動き出しとるで。」

 「・・・・・・・・・情報が漏れたのか?」

 「いや、ちゃう(違う)。時の一致は偶然や。ただ、彼らももうちまちました行動に限界なのかも知れんな。
  はりきって悪人を成敗、だ捕しとるわ。」

 「それならば問題ないだろう俺達には関係ない。」

 「・・・・・・ところが、そういうわけにもいかんのやな。」

 「・・・・・・・・・どういうことだ?」

 クロは煙草を深く吸った。落ち着くにはこれに限る。

 「今回動いたのな・・・、ずいぶんとお偉いさんなんや・・・。」

 「なんだ?ついに『軍曹』がうごいたか?」

 ギンはすぐさま否定する。

 「ちゃう。」

 「じゃあ、『曹長』か?」

 「ちゃう。」

 クロの煙草の減りが早くなる。ついに、彼のペンを走らせていた左手が止まった。

 「まさか・・・・・・・・・、『将校』が・・・?」

 「ちゃう。」

 クロはまだ吸える煙草を灰皿に押し付け、新しいものを取り出した。

 「もったいぶるな・・・。・・・・・・・・・誰なんだ?動いたのは?」

 「わいもあんさんも、こいつにだけは動いて欲しくなかったんやけどな・・・。
  相当たちが悪い奴や・・・。」

 「・・・・・・・・・・・・誰だ?」

 ギンは一息ついて答えた。

 「・・・・・・・・・・・・『鉄人』や。」

 「・・・・・・!!・・・・・・・・・・・・・・・。」

 まだ火をつけていない煙草が、クロの手からすべり落ちた。

 「・・・・・・・・・馬鹿な・・・・・・『大佐』だと!??」