「良い子じゃ、褒美にボタンを少し開けてやろう。」

 雪花は胸元のボタンを2個程開けた。
 元から開いていた服が更に開く。

 「良いから雪花ちゃんそんな事しなくて!?
  むしろこっちが恥ずかしいから!?」

 「何じゃヴァン随分過剰に反応しよるのう。
  本当は御主が一番見たいのでは無いか?」

 「いやないから!?」

 ヴァンが止めに入っても雪花はこうからからと笑うばかりだ。

 「あれ?服が・・・・・・?」

 雷太は雪花の服が先程と変わっている事に気が付いた。

 「変わっていますね、丈も短く胸元も開いています。」

 黒木が同意した、如何やら間違いでは無いらしい。

 「良く気付いたのう。
  では褒美に――――――

 「良いから雪花ちゃん!
  説明して説明!?」

 「む、仕方有るまいのう・・・・・・。」

 ヴァンに急かされ雪花は足を組み直した。

 「まず一番気になってるのが此れじゃろう?
  ・・・・・・儂の変貌じゃ。」

 「そうだよ、最初や組織の集会で会った時とは随分と変わってる。」

 「まあ此れは簡単な事じゃ、儂は酒を飲むと性格が変わる。」

 そう言い雪花は手持ちの瓶から酒をぐいと呷った。

 「何かそういう問題とは思えないのだが・・・。
  予測だが3段階に変化しているぞ?」

 黒木の言葉に雪花はからからと笑う。

 「うむ、まあ正解じゃ。
  儂はまるで多重人格の様に酒を飲む量で性格が変わるのじゃ。
  飲んでいない状態だと最初の様な気弱な乙女、自称は私。
  酒を飲み酔うと扉を蹴破った様な血気盛んで豪快な漢女、自称は俺。
  そして大量に飲み完全に酔ったのが儂じゃ、分かり易いじゃろ?」

 「なる程・・・・・・、自称が変わるんじゃ判断し易いなあ。」

 「まあ記憶も共有じゃし悪い様にはせぬよ。
  さて、儂の服なのじゃが・・・・・・。」

 「!?」

 雪花のチャイナドレスが様々な色と丈に変わる。
 如何やら有る程度自由自在な様だ。