「ど、何処にそんなのあったんだ黒木?」
「航空券の封筒に貼り付けて有りましたよ。」
「マジで!?」
難しい顔をして読んでいたヴァンだったが、読み終わると笑い出した。
「いや〜、ごめんごめん。
そういえば話してなかったなあ、僕が組織を立ち上げてまでブラックメンと共に戦う理由。
てっきり家に訪ねる感覚で組織本拠地に来たのかと思ってたよ。」
「(う・・・・・・・・・。)」
「ははは、幾ら我々でもそこまで愚かじゃ有りませんよ。
招かれていない組織本拠地に入る事が如何いう事を意味するのかは分かっているつもりです。」
「(うう・・・・・・・・・。)」
「だよねえ、ごめんごめん。
まあ、流石にこういう内容じゃ電話で聞くわけにもいかないよね。」
「(ううう・・・・・・。)」
《一人情けない小猿であった・・・・・・。》
「じゃあ、改めて聞こうかな?
今度は正式な訪問者かつ友人として。
・・・・・・・・・何が聞きたい?」
「それは・・・・・・ヴァンさんが一体――――――
「悪いがこっちが先にさせてもらおうかのう。」
「?」
突如、今まで煎餅をばりばりやっていた雪花が割り込んで来た。
「雪花ちゃん?」
「悪いがヴァン、先程儂の説明もすると約束していてのう。
御主の話をするときっと其れに掛かりっきりになるじゃろう?
だから儂に先に自己紹介させてくれぬか?」
「なる程・・・・・・、どうかな?」
ヴァンは雷太と黒木を見て聞いた。
「良いですよ、こっちは時間まだ有りますし。」
「師匠が宜しいのでしたら、私も。」