《此の短時間でどんだけ飲んだんだ・・・・・・。》

 「ん・・・、ああ、副隊長に五番隊隊長か。」

 雪花が気付いたらしく立ち上がった。

 「先は済まんかったのう、驚かせてしまった様じゃわい。」

 《口調変わってるー!?》

 其れだけでは無い、顔に紅が差し目が二重になっている。

 と、固まる二人を尻目に部屋を出様とする。

 「あの・・・・・・、彼は・・・。」

 たった今雪花の下敷きになっていた男がまだのびている。

 「エヴァンスなら心配要るまいて、邪魔するものだからちょっとのしてやったが。
  ヴァンの部屋に行こうぞ、貴殿等も儂に聞きたい事が有るじゃろう?」

 「あ、ああ・・・。」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 雪花の突然の変貌や気絶した男に驚きつつも、
 雷太と黒木は雪花に付いて行った。



 ヴァンの部屋は此の建物の最上階、3階に有るらしい。

 「こっちじゃ。」

 雪花が案内してくれる。
 途中では一人も構成員に会わなかったので有難い。
 だがこうなるとエヴァンスという者の他に構成員がいるのか不安になってくる。
 あくまで組織なのだから最低でも数人はいるはずなのだが・・・・・・。

 「ここがヴァンの部屋じゃな、・・・・・・む?」

 「ど、どうした雪花?」

 「生意気に鍵を掛けておるわ。」