「さて・・・、話もまとまったし、そろそろ俺もクロのところに行かなきゃな。
  お前らはどうするんだ?まさか俺が任務から帰るまでここにいるのか?」

 首を振って、ウォルフが否定する。

 「いえいえまさか。まだ早いんで、少しエクセスの街を見物してから帰ります。
  僕もシーバスも、ちゃんと教職の有給は取ってますし。」

 何を隠そう、これでも彼らはれっきとした教師なのだ。
 ウォルフの性格で教師が務まるのか疑いたくはなるが、職場では意外と優秀らしい。

 「・・・じゃあ、そろそろおいとましますね。」

 「ああ。」

 「かならず来て下さいよ雷太さぁん・・・。」

 そう言うウォルフは寂しそうだ。雷太は正直引く。

 「あ、ああ・・・、1ヶ月以内には必ず行くよ・・・。」

 「・・・では、失礼しました。」

 「さよなら雷太さぁん!」

 シーバスと涙目のウォルフは去って行った。

 一気に家が静かになる。

 「・・・・・・さて、俺も行くか。・・・なんたって今日は――――――

 雷太は心を引き締めた。

 ――――――任務言い渡しの日だ。」



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