「それにシド・ヴェインとアルハザード、ヴェルサスについてもIFPに報告しなければならないだろうしな。」

 「な、なる程・・・。」

 どうやらクロは解散してからずっと私事をしていたらしい。

 「お前が何を勝手に心配しているのかは知らんがな――――――

 「!」

 「もう動いた以上止まってられないんだ。
  負けたぐらいで落ち込んでられるか。
  俺には、世界を奪るという使命がある。」

 「そ、そうか・・・。」

 驚きつつも雷太は何だか嬉しくなった。
 やはりクロはクロだ、こういう所が実に頼もしい。

 「よし、俺も何かやるぜ!
  何か俺にも出来る事があるだろ?」

 「ねーよ、バナナは帰って剥けてろ。」

 「やかましい!」

 「そうだな・・・、まあ正直無いな。」

 「え゛!?」

 雷太は固まる。
 実に見事な肩透かしだ。

 《小猿、格好悪い・・・。》

 「久々に出た第一声がそれかユウ!?」

 《戦闘の時とか出れないんで旅行に行ってます。》

 「聞いてねーよ!どうでも良い!!」