会うなり馬鹿息子と呼ばれ、アーサーは大笑いした。

 「はっはっは、馬鹿息子か言われ慣れてる。
  でもそんなん言うたらお前もバナナの擬人化じゃねーか?」

 「お前と一緒にするな!?
  ってかバナナの擬人化て・・・。」

 「お似合いだぜ?」

 「似合うか!」

 そう言い笑うアーサーは煌びやかな服を着、
 指には様々な宝石の指輪が嵌められている。

 街民の税金がこんな事に使われたとなると実に嘆かわしい。

 「ってか何だよその頬の・・・。」

 雷太はアーサーの両頬に付いている赤いなるとマークを指摘する。

 「ああ、さっき遊んでた女に付けられちまった。
  後で違う女と遊ぶのにどうしよう?」

 「て、てめえは・・・・・・。」



 彼の名はアーサー・エクシア・ペンドラゴン。
 エクセスの街長で有り、エクセスの殆どを回している男だ。
 ・・・・・・と、言えば聞こえは良いのだがそうもいかない。
 実際は先代の名街長ウーサーに殆どの業務を任せ、
 当の本人は街長の権力と金を傘に遊び歩いている。
 毎月の謎の出費や其の奇行から彼は親の七光りの馬鹿息子と言われ、
 一部から疎まれると同時に何故ウーサーが彼に街長の座を譲ったか勘繰られている。
 其の自由奔放さから一部からは人気が有るのだが・・・・・・。



 「なあどうしようライタバナナ?」

 「知るか!
  あと変な名で呼ぶな!」

 「何だよそうかりかりするなよ。
  ほら、飴やるから。」

 アーサーはペロペロキャンディを差し出した。

 「いるか!」

 「何だよー、親父に言いつけるぞー?」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」