なる程、これが『不死身公』の正体・・・。
 レディンを殺したと思ってもそれは分身だったという事だ。
 恐らく自分への跳ね返りは無いのだろう。

 「じゃ、じゃあ今俺と話しているお前も・・・!?」

 「・・・・・・・・・・・・・・・いや。
  私は本物だ。
  クロ様に分身で会う等という無礼は働けん。」

 「さっきからクロ様って一体――――――

 「私はな・・・・・・、クロ様と闘いたくないのだ。」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 「クロ様には命どころではない恩がある。
  例えIFPと組織、敵対する者だとしても。
  例えクロ様が一体何をし様とも。
  此れは其の証、私はBrrack Menfとは闘いたくは無い。」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 「ちなみに私が本物だと明かした事は、
  御前には悪意も戦意も感じられないからだ。」

 「・・・・・・どうかな?
  此れでも心友の食べ物横取りする程の悪なんだぜ?」

 雷太は笑って言った。

 「・・・其れならば、ラドクリフ君を其方に寄越すとし様。」

 「げげっ・・・!
  あ、あいつは勘弁してくれよ!?」

 「ふふふ・・・、ならば合意を得る事だ。」

 レディンも古傷だらけの顔を綻ばせた。