能力を明かす。
 レディンはそう言った。

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 「如何した?礼としては十分な様に思えるが・・・。」

 十分過ぎる。
 一般人にはぴんと来ないかもしれないが、
 闘う者にとって自分の能力を知られる事は致命的な情報漏洩だ。
 自分の能力を知られれば対策されるし、普通なら防ぐべき事態。
 特にIFPが組織に知られると非常にまずい事になる。
 それなのにたかが道案内で教えるとは・・・・・・。

 「・・・・・・本当に明かすのか?」

 よっぽど対策し様が無い強い能力か、よっぽど馬鹿な能力者のどちらかだろう。

 「勿論だ・・・、実は既に明かしている。」

 「・・・・・・・・・・・・?」

 「少し後ろに下がってみると良い・・・。」

 「・・・・・・?・・・げっ!??」

 横に並んで歩いていた為気付かなかったが・・・。
 レディンが・・・・・・・・・2人いる!??

 「え・・・?な、何で・・・?」

 「此れが私の能力、『分身』だ。」

 「分・・・身・・・・・・?」

 「そう、自分の分身を好きに作る能力。
  勿論自分なので自分が出来る範囲の事が出来る。
  実際、今IFP本部では私の分身が会議に出ているしな。」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」