「・・・・・・・・・ヴァン・・・。」
「能力者か・・・。
・・・・・・それも変化系か超自然系か特殊系。」
ヴァンの腕は銀色に変化し刀で斬り裂かれた腕からは血が出ていない。
肘から掌までを半分程斬り裂かれた事からしても、この二人の凄さが窺えるのだが。
「そう、僕の腕は今鉄になっている。
悪いけど二人とも刀を納めてくれないかな?
少なくともまだクロに死なれるわけにはいかなくてね。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・剣士の戦を邪魔するとは・・・無礼な!」
「!?」
予想に反し、ヴェルサスは力を強めた。
ヴァンの腕に食い込む刃が更に奥を両断する。
「退け、さもなくば斬り刻んでくれるぞ。」
「そうはさせないわ。」
「!」
ヴェルサスの喉元に鋭い刃が突き付けられる。
「私とヴァンさんと同意見。
あんた達が戦うのはまだ早いわ。
どうしてもというなら全てを捨ててからにしてちょうだい。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
(・・・・・・この構えは・・・・・・・・・。)」
雷太と新太郎も構えている。
二人とも彼等と同じ意見という事か。
「お前等・・・・・・。」
クロはヴァンの腕から刀を引き抜いた。
ヴェルサスの刀は抜けない。ヴァンが抑えている。
「・・・・・・どうするの?
・・・刀を納めるなら今すぐ離すけ――――――
「不愉快。」
「!」
突如ヴェルサスから凄まじき殺気が噴出した。
今までクロと斬り合っていた時とは桁違いの殺気だ。