直ぐ様地を蹴り互いに力を込めた突きを放つ。
 激音と共に衝撃で二人は逆方向に吹っ飛んだ。

 二回起こった砂埃に互いは見えなくなる。

 「まずは互角・・・・・・か。」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
  swallow。」

 「!」

 次の瞬間、クロ側の砂塵は真っ二つに斬れた。

 鍛え上げた筋肉と洗練した動作による振刀により真空の刃を飛ばす技。
 それが『飛燕/swallow』の正体だ。

 「・・・・・・・・・!・・・何処だ。」

 クロは既にいない。
 ヴェルサスは急ぎ気配空気振動その他を探す。

 「上か!」

 上を見ると太陽を背にクロが落ちてきている。

 swallowをかわした時から跳んでいたらしい。

 「我流、雷・荒飛沫。」

 「・・・・・・・・・!
  (・・・・・・この技は・・・・・・・・・?)」

 上空からの唐竹割りをとっさに動きかわしたヴェルサス。

 しかしこの技には第二撃が用意されている。

 クロはすぐ様横薙ぎに刀を出した。
 それはまっすぐにヴェルサスに向かって来る。