「つまりフリーの剣士ってわけか。
  しかし名前を聞いても分からないな・・・。」

 「それはそうだ。
  我は賞金等掛かっていないし、表立って行動した事は無い。
  別に構わないが、他の者に会うのも久し振りだ。」

 しかしクロとの対峙方に推測するに相当の剣士だという事が窺える。
 これ程の男が今まで確認すらされていないとは・・・・・・。

 「・・・・・・ここには何しに?」

 「・・・・・・・・・仕事だ。」

 そう言うとヴェルサスは刀の鯉口を切った。

 「「「!」」」

 雷太、新太郎、海里は身構える。

 「・・・・・・・・・そう身を固くされても困る。」

 そう言うとヴェルサスは雷太達とは少々ずれた方を向く。

 その先には・・・・・・。

 「お、おい!?・・・何を――――――

 雷太が言い終わる間もなく・・・。

 「我流・・・・・・swallow/extent。」



 キンッ



 抜かない。

 一瞬音はしたが、ヴェルサスが刀を抜いた様には見えない。

 が――――――



 ズ・・・ズズ・・・・・・ズウウゥゥン!!



 凄まじい音がし、魔軍基地の上部が斜めに斬れ落ちた。

 砂埃が舞い上がる。