『ナレーター様、ユウ、シーバス』の―――前回のお話(超短)―――

 昔々、ある所に『ウォルフ』がいました。

 《かわいそうなウォルフは興奮するあまり雷に打たれ真っ黒焦――――――

 「・・・いいえ、生焼けよ・・・。」

 《・・・・・・・・・・・・いえ・・・・・・。(汗)》



 「すみません、お風呂までかりちゃって。」

 「いや、いいよ。」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 ここは1階のリビングだ。
 中心にある四角テーブルに、雷太と2人が向かい合う形で椅子に座っている。

 煤を落とす為に雷太の家の風呂を借りたので、ウォルフの頭からは湯気が立っている。
 乱れていた髪も整え、髭も剃ったようだ。

 「いや、・・・しかしびっくりしたぜ・・・。いきなり抱きついて来るんだもんな・・・・・・。」

 「びっくりしたのはこっちですよ!」

 ウォルフは机を叩いた。また雷太はびっくりする。

 「!?・・・えっ?」

 「3年前突然、『修業に行く』って言って出て行ったっきり戻ってこなかったじゃないですか!」

 「う・・・・・・。」

 「しかも連絡を1回もよこさないし!!」

 「うう・・・。(お前は母親か!?)」

 「寂しかったっスよ〜。」

 そう言うウォルフの目には、また涙が溢れてきている。

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 「・・・・・・・・・。(汗)」