「・・・・・・・・・う・・・。」

 4階。
 雷太はふら付き壁にもたれ掛かった。

 《え!?こいつだけ耐性ないの!?》

 いや、そのはずはない。
 流石にここまでの死体の山は見たこと無いとはいえ、耐えられない程ではないだろう。

 《じゃあ一体・・・・・・。》

 「何だ・・・・・・?この嫌な感じは・・・。」

 雷太はつぶやいた。

 「う・・・頭が・・・・・・。」

 頭が一瞬ずきんと痛む。

 思えば基地内に入ってから妙な感じはしていた。
 それが上の階に上がる程強くなって来て・・・。

 「・・・・・・・・・しっかりしろ!」

 雷太は自らの頬を両手で張った。

 多少楽になる。

 「良く分からないけど精神にきてるみたいだな・・・。」

 恐らく罠でも人業でもない・・・。

 何故かは分からないが、常に意思を強く保たないと飲み込まれそうだ。

 まるで記憶喪失者が記憶のキーポイントに出くわした様な・・・。
 何か強烈な悪意が突然頭の中に雪崩れ込んできた様な・・・・・・。
 まるで決して会ってはならない者が先程までこの場にいた様な。

 「何なんだ一体・・・。」

 雷太は改めて基地内の探索を開始した。



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