「どうしたクロ!?見つかるぞ!?」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 クロは黙って扉の下部を見ている。

 「・・・・・・・・・・・・・・・?」

 雷太と新太郎もそれを見るが・・・。

 「何だ・・・・・・?」

 扉下の隙間から真っ黒なものが微かだが滲み出ている。
 独特の臭気があり、触ってはいないがまるでコールタールの様だ。

 「・・・・・・これは・・・・・・血だな。」

 「血!?」

 「ヴァン、海里、来てくれ。
  ・・・・・・・・・・・・予想外の事態だ・・・。」

 クロが飛び出しても変わらず岩陰にいたヴァンと海里も来た。
 まあ本来はそうするべきだったのだが。

 《一人の行動に皆付いていけば大惨事必死だぞ・・・。》

 「これは・・・血・・・?」

 「多分魔族の血ね・・・。」

 ヴァンと海里も肯定する。

 「何かがおかしい・・・。
  ・・・・・・・・・開けるぞ・・・?」

 皆の了解の言を聞くと、クロは血がこびり付いた扉を無理やり開けた。

 「これは・・・・・・!」

 「う、うわ・・・。」

 死体。

 死体死体死体。
 様々で色取り取りな血液の散乱。

 基地の中は血と死体で埋め尽くされている。