「・・・・・・俺が負けるとでも?」

 「そ、そんな事は言っていない!ただ・・・!?」

 クロは黒霧の髪に掌を置き撫でた。

 「安心しろよ。
  未だに存在自体が不明なやつだし、
  それに俺は負けねえからよ。」

 「う、うぅ・・・・・・・・、や、止めろ!」

 黒霧はクロの手を払った。

 「いつまでも子供扱いして・・・!」

 そう言うと黒霧ははっとした。

 「わ、私の言いたい事は以上だ!
  ・・・・・・し、仕事が忙しいので帰らせて頂く!!」

 黒霧はその場から一瞬で消えた。

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 普段見ない表情と言事なので一瞬沈黙が落ちる。

 「・・・・・・・・・・・・。
  (・・・言えない・・・・・・言う雰囲気じゃない・・・。)」

 「・・・・・・・・・・・・。
  (言いたいけど言ったら夜道で刺されそうだ・・・・・・!)」

 《可愛い一面もあるんだな。》

 「「おま!?」」

 「ま、そういう事だ。」

 クロが言った。

 《可愛いって事?》

 「そっちじゃない。
  確かに魔軍は情報も乏しく近くには奴もいるという噂がある。
  だが噂でたじろいでたのでは話にならない。
  今一番攻撃し易いのがこの組織なんだ、だから攻める。
  何か問題はあるか?」

 沈黙。
 元よりクロの判断なのだ。
 色々考えてあるのだろうし、ここは疑う必要もないだろう。

 「では近日出発を知らせる。
  それまで覚悟と準備を整えておけ。」

 「「おう!」」
 「は〜い。」
 「分かったわ。」

 皆はそれぞれ返事をした。

 近日、魔軍との戦争だ。