「『仮面の悪魔』・・・?」

 雷太はちらっと新太郎を見た。

 「・・・・・・いや、俺も知らん・・・。」

 「まあそうだろうな、情報が規制されている。」

 黒霧が言った。

 「ちょうど良い機会だ、お前たちにも教えておこう。」

 黒霧は横目でクロを見る。
 しかしクロは何も示さない。

 「・・・・・・奴の名は『マスクドヘルレイザー』。
  通称『仮面の悪魔』だ。」

 「マスクドヘルレイザー・・・?」

 「奴自身がそう名乗ったと聞く。
  奴はこの世界の何処かにある伝説の地、
  『決戦の地:イージス(AEGDZ)』の番人と呼ばれ、そこへ近付いた者へ容赦なく攻撃する。」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 「今まで奴に勝った者はいないと言われ、
  IFPその他報道機関でも重視され危険人物とされている。
  氷鬼ティノス程じゃない事に加え、撤退を受け入れれば何もしないらしいがな。」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 「その『仮面の悪魔』が最も確認されているのがこの魔界門の近く。
  そこへのこのこと歩いて行くのを私は許諾出来んな。」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 クロは静かに煙草を吸った。

 「それは個人としての意見か?」

 「両方だ、参謀としても個人としても。」