物質系魔族。
 その名の通り物質の形をした魔族だ。
 様々な形の者がいるが、生物なのでしゃべる事は大抵可能だ。
 人に使われたり、自分で動いたり本当に多種多様で、
 結構謎が多い魔族の一系に数えられるらしい。



 「で、何故ここに?」

 雷太がリテュアに聞いた。

 「うむ、先程まで陽月殿と弟と共に酒を飲んでいたのだが、
  飲み過ぎて記憶を失くしてしまってな。
  気が付いたらこの部屋にいたというわけだ。」

 「なる程。それで俺達に茶を・・・。」

 「御疲れの様だったし、驚かれるのを防ごうと・・・な。
  今思うと逆にまずかった様だ。
  良く考えると今まで部屋にいて初対面なので仕方無いが・・・。」

 「いや・・・、済まん・・・。」

 「あ、でも茶は美味かったよ!有難う!」

 「うむ・・・。」

 暫し静寂が訪れた。

 「しかしリテュアさん特徴的な形してるな。」

 「む・・・、リテュアで良い。
  確かにな、しかしこれでも意味はあるのだ。」



 確かにリテュアは剣にしては珍しい形をしている。
 柄の両先端がまるで爪の様に3本ずつ伸びており、
 片方の真ん中の一本がそのまま剣身になっている。
 柄は細い上装飾が施しており正直持ち難そうだ。



 「意味って?」

 「む・・・、それは流石に言えぬ。
  主人に口止めされているのでな。」