第138話 “リテュア=J=ユグヴェルド”


 浮く剣、淹れられた茶。

 雷太達は後ずさった。

 「其処まで引かなくとも良いではないか。」

 「「!」」

 やはりしゃべったのは剣の様だ。

 「私が酒臭いからって。」

 「「そこじゃねえ!?」」

 二人は同時に突っ込みを入れる。

 「分かっておる、独りでに浮く刀を見た事が無いのであろう。」

 「お、おう・・・。」

 《陽月は人を操らないと動けないからな。》

 「申し遅れた。
  私の名は『リテュア=J=ユグヴェルド』。
  主暁 健様の家臣を勤めている。」

 「あ、ああ・・・。」

 「驚くのも無理は無い。
  ただ物質系魔族を知らないわけでも無いだろう。」

 「ああ、なる程。あれか。」