そんな中外へ仕事に行った帰り、酒場で飲んでいたバルロクスはある者と話していた。

 「云千万ねえ・・・・・・。
  確かにそりゃあとんでもない金額だな・・・。」

 「左様だ・・・。
  村の者に頼むわけにも行かない上拙者では到底稼げぬ・・・!
  ・・・・・・情け無し・・・情け無し!!」

 「おいおいテーブル叩くなって追い出されちまうぞ。」

 「済まぬ・・・。
  誰かは知らぬが愚痴を聞いてくれただけで有難い・・・。」

 「まあ稼ぐ方法が無いわけじゃないけどな。」

 「何!!?」

 バルロクスは立ち上がり男に詰め寄る。

 「いやいや興奮すんなろくな方法じゃないって!」

 「構わぬ!言え!言うのだ!!」

 「分かった、分かったから落ち着け!」

 「・・・・・・・・・・・・・・・。」

 騒がしき酒場の別に珍しくもない荒れた光景。
 歯抜けの男は周りを警戒し小声で話す。

 「・・・・・・・・・・・・殺しだよ。」

 「何!?」

 「しー!声がでかい!
  所謂『殺し屋』ってやつだ・・・。」

 「しかし・・・、云千万の賞金首に勝てる道理は・・・。」

 「誰がそんなインチキ臭い強さのやつら相手にするって言った?
  俺が言うのは一般人だよ。」

 「一般人・・・・・・・・・。」