何何だ此の男は・・・?
 あのオレンジ髪の男に異常に固執している様だが・・・。

 バルロクスの体は一瞬震えた。
 武者震いではない、彼が一瞬恐怖した。

 異常なる邪悪。

 彼はそう感じた。

 此の男と龍 雷太を会わせては為らない・・・。
 彼には何も接点が無かったが乾 新太郎の仲間という義理がある。

 「どうした?答えろよ・・・。」

 「・・・・・・断る。」

 「あ?」

 「断る!!
  拙者、拳を交えし者の仲間を売りはせぬわ!!」

 「・・・・・・・・・・・・・・・。」

 バルロクスは立ち上がり巨斧を手につかんだ。

 「・・・・・・来い、貴殿は此処で滅する。」

 「・・・・・・・・・ははは、ははははは・・・。」

 黒騎士は笑う。

 「ハ――――ハッハッハッハッハ!!
  ・・・・・・死にたいらしい。」

 途端に黒騎士から凄まじい殺気が噴き出した。

 「良いだろう・・・、殺してやる。
  俺の名は『アーク』。龍 雷太を殺す男だ。」

 「我が名はバルロクス・ヴェルフレイム。
  フレイムバイソンの誇りに掛けて貴殿を倒す!」

 バルロクスは闘気を漲らせ構えた。
 傷が疼くがそうは言っていられない。

 「さあ、構えよ!
  ・・・・・・・・・・・・!?」

 何とアークは構えを取らずすたすたとバルロクスの方へと歩いて来た。

 「なっ・・・!・・・・・・ぬん!!」

 バルロクスは巨斧を振り下ろす。
 しかし半歩横に動いたアークの横を掠めただけだ。