「姫・・・・・・。」

 「如何したの太郎・・・?
  ・・・・・・早く救護班を・・・・・・・・・。」


 「バルロクスの葬送の準備を。」

 「!?」

 「彼は死ぬ・・・。
  残念だが確実な様だ・・・・・・。」

 「・・・・・・本当に・・・?」

 「・・・死線が見えた。
  原因は恐らく他殺。
  ・・・・・・運命は稀に変えられないから嫌いだ。」

 「太郎・・・・・・。泣いて・・・いるの・・・・・・?」

 「如何かな?
  小生は童神だからね、良く分からないよ。
  只、仲間を失うのは・・・・・・気分が良いものでは無いね。」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」



 「なっ・・・・・・!?」

 声に反応し黒騎士がバルロクスを見る。

 「いたんだろ?あの野郎が?」

 「あの野郎・・・?」

 「龍 雷太。」

 「!」

 確か乾 新太郎が相方のオレンジ髪をそう呼んでいた・・・。

 「いたんだな・・・。」

 黒騎士はバルロクスの挙動を見逃さない。

 「教えてくれよ・・・。
  あいつは何処にいる?何か言ったか?一人だったか?どんな格好だった?武器はあったか?魔法を使ったか?背丈の程は?
  髪の色はオレンジか?肌の色は?手配書の通りだったか?動きは良かったか?瞳の色は?例の魔法は使えたのか・・・・・・・・・・?」

 畳み掛ける質問にバルロクスは絶句する。