「クロ・・・。」

 「先日は二人ともご苦労だったな。
  それで新太郎の件なんだが・・・。」

 「はい・・・。」

 何を言われても良い様に新太郎は覚悟した。
 強制休養や、怪我をした事に対する小言があるかもしれない。

 《解雇は?》

 いや流石にそれは無いだろう。

 「流石にこのままじゃやばいだろうから・・・。」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 「『シルフィーユ』に来てもらう事にした。」

 「「げええええええええええ!!???!?」」

 応接間に二人の悲鳴が響き渡った。

 「どうした?」

 「し、しししシルフィーユさんって・・・・・・あの!?」

 「家の十番隊隊長の『メリー・シルフィーユ』だが?」

 「・・・・・・・・・・・・・・・。」

 新太郎の顔からさっと血の気が引いた。
 雷太といえば明後日の方向を向いて念仏を唱えている。

 「・・・・・・・・・・・・・・・?
  良く分からんがあいつだったら即行で治せるだろ。
  じゃあ、俺は私事してるんで用があれば言ってくれ。」

 そう言ってクロは部屋を出て行った。

 「・・・・・・・・・終わったー!!?」

 「・・・・・・・・・・・・。」

 「あの人は・・・、あの人だけは・・・・・・。」

 「新太郎・・・・・・。」

 「その哀れみの目をやめろー!!」