第130話 “伝説の王”


 クロの家、応接間。

 雷太と新太郎はそこのソファーに向かい合って座っていた。

 「・・・・・・痛むのか?」

 両腕をしきりに気にしている新太郎に雷太が聞く。

 「いや・・・・・・、ただ戦力の低下がな・・・。」

 「そんな事言ったって片方折れてるんだろ?
  流石にその状態で戦闘は無理だろ。」

 「相手にも失礼だしな・・・。
  クロさんには迷惑掛けるな・・・。」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
  (・・・こいつ戦闘の時だけ性格変わるんだよな・・・・・・。)」

 《新太郎いなくても良くね?》

 「あほか貴様は!?」

 「それでも修行出来ないしな・・・。」

 「まあ今は我慢するしかないだろ。」

 「・・・・・・・・・・・・。
  バルロクスは大丈夫だろうか・・・?」

 「え?」

 意外な質問が飛んで来たので雷太は一瞬きょとんとする。

 「いや、拳を合わせた者として少し心配でな・・・。」

 「確かに重傷だったけど、クロだから死なない様にしてるだろ?」

 「いや、そうじゃない・・・。」

 「・・・?」

 「何だか胸騒ぎがしてな・・・。」

 「それってどういう――――――

 「ここにいたか二人とも。」

 「「!」」

 言いながらクロが部屋に入って来た。