「クロ!遅かったな!」

 雷太が言った。

 「色々やっててな。」

 「そういえば騎士達は中身が無かったよ。
  一体何だったんだろうね、あれ?」

 「帰ったら説明する。
  ・・・・・・通信機は手に入れたか?」

 「ああ、これだ。」

 雷太は透明な球体をクロに手渡した。

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 「・・・・・・何これ?」

 デュークが首を傾げる。

 「どう見ても機械じゃないし・・・。
  ・・・まるで占いに使う水晶玉みたいだねえ。」

 「そうだな、帰ったら調べよう。
  ここにはもう他に何もないみたいだしな。」

 奥の天井にある穴はどこにも通じていないようだ。

 《単なる鎧格納庫だったのか。》

 「帰るぞ。」

 クロは来た方向へ歩き出した。
 皆各々に返事をして歩く。

 「待て。」

 しわがれた声が響いた。