「ぐっ・・・・・・!」

 たまらずバルロクスは巨斧を振ん回すが新太郎は既に離れている。

 「ぬん!」

 バルロクスは再び巨斧の石突を地に叩き付けた。

 炎が噴き上がり辺りを円状に舞う。

 「ぬうううううん!!」

 先程より炎が大きく温度も高い。

 ――――――が、

 「だから効かねえって言ってんだろ!!」

 「ぬ!?」

 炎が一瞬で消えた。

 新太郎の拳がバルロクスの巨斧の腹に打ち付けられている。

 一瞬後二者は離れた。

 「貴殿・・・・・・何者だ・・・。」

 バルロクスは訝しげな表情をしている。

 「・・・・・・?」

 「我が一族の特殊能力『フルバトルフレイム』を持っている事もだが、
  其れ処か我が炎を耐えるだと・・・?
  つまり本家の我が炎と同等の力を持つという事・・・。
  貴殿は一体何者だ?」

 「・・・・・・俺はただの人間だよ。
  それ以外の何者でもない。」

 「普通の人間が特殊能力を得、更に本家と同等なぞ聞いた事が無いが?」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 「・・・・・・父の名は?」

 「・・・知らないな、俺は捨て子なんだ。」

 「そうか・・・、悪い事を聞いたな。」

 バルロクスは構えを解き目を瞑った。