第126話 “本家と人間”


 構える新太郎。
 バルロクスは動揺が隠せていない。

 「悪いな雷太。
  啖呵切っちまったし、俺一人でやらせてくれ。」

 新太郎は後ろを見ずに言った。

 「勝手にしろよ。
  熱いんで俺は離れてらあ。」

 雷太は部屋の入り口へと歩いて行った。

 「誇り・・・・・・。」

 バルロクスは何かぶつぶつとつぶやいている。

 「早く構えろよ。
  それとも、戦意喪失したか?」

 「む・・・・・・。」

 バルロクスはゆっくりと巨斧を持ち上げた。

 「行くぜ・・・。」

 新太郎は地を蹴った。

 バルロクスも巨斧を振り上げる。

 振り下ろされた巨斧をかわし、新太郎は拳を引いた。

 「甘い!」



 ボオォウ!!



 バルロクスの体が再び燃え上がる。

 「効くかっ!!」

 その炎を全くものともせず新太郎は正拳を繰り出した。