向かい合う二人と一人。
互いに視線を逸らさず集中を高めている。
少しでも音か動きがあれば炸裂したように動き出すだろう。
「「・・・・・・・・・・・・・・・。」」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
静寂が辺りを支配する。
バルロクスはゆっくりと目を開けた。
「・・・・・・・・・・・・・・・参る。」
三者は一斉に地を蹴った。
「ぬん!」
バルロクスの大振り下ろしを左右に別れかわす。
「くらえっ!」
左側の新太郎が渾身の拳を繰り出した。
・・・・・・・・・・・・が、咄嗟に左手持ちにした斧の右手押し縦薙ぎにより拳は斧の腹に当たる。
「ちっ・・・!」
「・・・!」
バルロクスが右を横目で見ると既に雷太が飛び、シルヴァトゥースを掲げ振り下ろそうとしている。
斧は間に合いそうもない。
「もらったあ!」
「・・・・・・甘い!!」
ボオォウ!!
「!?」
「あっっっちいいい!!?」
バルロクスの体から突如炎が噴き出した。