「ぐおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 「こいつが・・・・・・バルロクス・・・!」

 「本でしか見た事ないけど・・・間違いない!」

 壁を壊し現れたのは斧を持った魔族だ。
 良く見るであろう『ミノタウロス』のような者。
 体中に傷があり、毛脈を断ち割っているものも多い。
 5mはありそうな巨体で、雷太達が小さく見える。

 「炎殺鬼牛・・・・・・勝てるか?」

 「どっちにしろやるしかねえだろ・・・っ!?」

 バルロクスは斧を横振り回した。

 雷太達はしゃがみ何とかかわす。

 「ぐおおおおおおおおおおおおおお!!!」



 「動かなくなっちゃったねえ。」

 「どうしたんですかね?あと少しだったのに。」

 ヴァン&デュークと騎士達の戦いの跡、
 少量の屑鉄が辺りに散らばっている。

 「動力でも失ったのか・・・、
  ・・・・・・はたまた操者でもどこかにいたのかな?」

 デュークは鎧の腕を投げ捨てた。

 あと少しで勝てるというところで、鎧達は突然動かなくなってしまった。

 以降うんともすんとも言わない。
 まるで魂が抜けてしまった様だ。

 もっとも、それは輝夜姫が操作をやめたからなのであるが、
 この二人がそんな事を知ろうはずもない。
 あの状況で気付いたクロが異常なだけだ。

 「ぐおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 「!」

 「・・・・・・何か・・・、聞こえたねえ。」

 「急ぎましょう、ちょっと嫌な予感がします。」

 「了解!」