「そうはいかないのよ・・・。
尤も、・・・・・・・・・斬れるかしらね?」
「どういう・・・・・・!?」
クロは目を見張った。
刀が抜けない、いや体が全く動かない。
「どういう事だ・・・?」
「言ったでしょう?
私は此の世の全てを操る女。
貴方の周りの空気を操って固めさせてもらったわ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「本当はこのまま攻撃しても良かったんだけど、貴方は何を隠しているか分からない人だから・・・・・・。
もっと御話したかったのに、残念ね・・・・・・・・・・・・。」
そう言うと輝夜姫の真後ろの空間が開いた。
空間を操って強制的に何処かと繋げたらしい。
「じゃあね、クロ・・・・・・。」
「あ〜・・・、ちょっと待て一言言いたい事がある。」
「・・・・・・・・・何?」
「・・・・・・悪かったな。」
「・・・え・・・・・・?」
「お前の言う通り人形遊びじゃなかったな。
空気や空間を操るとは大したもんだ。
お人形遊びじゃなく立派な操士だな。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・やっぱり貴方良い男ね、有難。
・・・・・・・・・それじゃあね、また会えたら会いましょう。」
そう言うと輝夜姫は空間の向こうへと消えていった。
やがて何事も無かったかの様にクロは開放される。
「・・・・・・俺は会いたくないけどな。
会えば必ず闘う身だ。」
そう言うとクロは鯉口を納め、部屋の出口へと歩いて行った。