「・・・・・・さて、こいつにはここで寝ていてもらうとして・・・。」

 クロは辺りを見回した。

 「出口はあそこか。」

 クロは元来た方角へ歩き出した。

 見るからに出口ではないが、適当に歩けば洞窟へと戻るはずだ。

 と、クロが歩みを止めた。

 「・・・・・・・・・・・・・・・。」

 後ろを振り返らず煙草を深く吸う。

 「・・・・・・・・・驚いたな・・・。
  動けるのはまだしもまさか立てるとは思わなかった。」

 「そう・・・・・・、御生憎様ね。」

 「一日は起きないつもりだったんだがな。」

 「・・・・・・・・・・・・・・・。
   御茶に付き合ってくれて有難。
   今更だけど、・・・・・・貴方良い男ね。」


 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 「ねえ、クロ。
   ・・・・・・クロって呼んで良い?」


 「構わない。
  嫌だったら最初から言ってるさ。」

 「有難。
   じゃあクロ、私逃げるわね。」


 「そう易々と逃がすとでも?
  お前とはもう戦いたくないんでな、悪いが今度は斬って気絶させる。」