そう言うと片方の鎧騎士が手を雷太達に向けた。

 「・・・・・・?・・・・・・・・・まさか!?」

 「炎魔法『火槍(ファイア・ジャヴェリン(fire javelin))』。」

 騎士の手から火の槍が飛んでくる。

 雷太と新太郎はそれをかわすと再び一対一の状況に押し込んだ。

 「まさか魔法が使えるとはな・・・。」

 「言ったはずだ、前見た鎧とは格が違う。」

 「魔法には生命力が必要だ。
  中身が無いのにどうやってるんだ?」

 「それを言う必要はない。」

 互いの剣が交差し力押し合う。

 「闇魔法『深淵の牙(ブラック・ファング(black fang))』!」

 「甘い!
  防御魔法『魔法防壁(マジック・シールド(force shield))』!
  高等大気魔法『波動剣(ソードヴェイヴ(sword wave))』!」

 「うおおっ!?」

 雷太は後ろに飛びのき必死に避けようとする。

 が、彼の魔法は剣閃から見えない波動斬撃を出す技。
 剣の太刀筋から予測する事しか出来ない。

 「痛ててて・・・。」

 少々だが腹の辺りを斬られてしまった。

 「まさかそんな高等魔法まで使うとはな・・・。」

 「まだまだいくぞ・・・!」

 「させるか!
  空間魔法『陽気すぎな道化師(ワンダリングソウル(wondering soul))』!」

 「む!」

 鎧騎士の体が一瞬ピンク色の光に包まれる。

 構わず剣を振るが・・・・・・。

 「ちっ・・・、色を付けられたか・・・・・・。」

 薄緑色の空気の波動が雷太に向かうのが見え見えである。

 「さて・・・・・・どうするかな・・・?」