第121話 “二の局 魔拳と魔鎧”


 立派な鎧を着けた騎士達は動かない。

 「来ねえな・・・。」

 「まあそりゃ手招きしたからには自分からは来ないだろ。」

 「そりゃそうか・・・・・・じゃあ・・・、行くぜっ!」

 雷太と新太郎は地を蹴った。
 同時に鎧騎士達が構える。

 雷太のシルヴァトゥースと鎧騎士の剣、
 新太郎の拳と鎧騎士の拳が激突した。

 勢いで周りに衝撃が漏れる。

 「炎魔法『火球(ファイア・ボール(fire ball))』!!」

 「らあっ・・・!!」

 雷太が魔法で、新太郎が拳で押し切って相手を仰け反らせた。

 とはいえ全くダメージがある様子もなく騎士は立っている。

 「なる程・・・・・・確かに骨がありそうだな。」

 騎士がしゃべった、片言切れ切れではない。

 「普通にしゃべった!?」

 「当然だ、我々をあの様な安物の鎧と同じと見ないで頂きたい。」

 「鎧?・・・・・・やっぱりこいつら・・・。」

 「クロさんが途中で言っていた通り、中身が無い被操者か・・・!?」

 「ほう、気付いていたのかこれは中々。
  だがそれはそれで好都合。
  見せてもらおう、種が割れた我々と如何戦うのかを。」