「貴方でもですか・・・?・・・・・・ジャン。」

 「ああ?」

 片眉を上げてジャンと呼ばれた者は立ち止まる。
 ・・・・・・が、すぐににやっと笑った。

 「俺やとっきゅんなら負けねえよ。
  もし俺のとこに来たら斬倒してくれる。」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 「・・・・・・ま、今回は諦めな。
  バルロクスも良い奴だったのにな。」

 「でも、今回は『姫』が行くそうですよ?」

 「ああん?」

 「彼女だけは太郎様の意思を無視出来ますから。
  例の個人的趣味単独探索行動らしいです。」

 「か〜っ!良いねえ、『姫』は!
  ・・・・・・・・・あ〜・・・、こいつは少し分からなくなったな・・・。」



 ドガシャッ!!



 ヴァンの拳が、最前列の鎧の騎士を吹っ飛ばした。
 が、大して隊列を乱す事無く騎士達は得物を持ち襲い掛かってくる。

 デュークは拳を握り両腕を前に突き出した。
 機械音と共に白衣の中から銃口が腕を囲む形で出て来る。



 ドドドドドドドドッ・・・!!



 鎧の騎士達が見る見る薙ぎ払われていく。
 鎧も効果虚しく銃弾は貫通しているようだ。

 「見たところ鉄製のようだからね・・・!
  君達にはこの銃弾で十分さ・・・・・・!!」

 幾ら数百という数がいようとも、
 機銃の連射には何の意味も持たない。
 狙いが正確なら尚更である。

 やがて、大将と数名の騎士を残し全て倒れてしまった。