「さて、今日は皆再び呼び出したんだが、
  実は今度の遠征には余り関係が無い。」

 「え?そうなの?」

 雷太が素っ頓狂な声を出した。
 てっきりそれかと思っていたのだが・・・。

 「ああ、今日は・・・・・・、
  こいつを紹介しておこうと思ってな。」

 クロがそう言うと、最初からいたのか
 机の上にひょいっと例の白い猫が現れた。

 「あっ!?・・・・・・この猫・・・。」

 雷太は思わず声を上げる。

 「おう、坊主は先日会ったな。」

 猫が渋い声を出した。

 皆は相応の対応を取る。
 新太郎に関しては初見だったらしくかなり驚いたようだ。

 「雷太が聞きたかったのはこいつの事だろ?
  こいつの名は『カリス』。あるやつから今預かっている猫だ。」

 クロが名だけ紹介する。

 「クロさん、そこからはオレ自身で。」

 猫が言った。

 「ああ。」

 猫は背のポーチから煙草を取り出した。
 火を付け、吸いながら自己紹介を始める。

 「クロさんも言ったがオレの名は『カリス』。
  しがない飼い猫だ。
  猫種は『液体鉄猫種(耐熱タイプ)』。
  あと数日やっかいになるんで宜しくな。」

 「『液体鉄猫種』・・・・・・?」

 聞きなれない言葉を耳にし、雷太はつぶやいた。

 「何だ坊主、知らないのか?」

 「いや坊主て・・・。」