「そうだ!・・・・・・それに!」

 新太郎は袋を一気にひっくり返した。『CLAIM OF SOUL』のグッズがごろごろ出てくる。

 「し、新太郎さ――――――ん!!」

 「ん?どうしたのかね雷太君。」

 「こ、これはまさか・・・。」

 「ふふふ、そうだ、お前がいなかった3年の間に発売された『C・O・S』のグッズだ!
  あと、少しだが俺達が生まれる前に発売されたやつも入手した。」

 「ま、まさか・・・これを・・・・・・。」

 「ああ、君にやるよ雷太君!2個ずつ買ったからな。」

 「し、新太郎さ―――――――――ん!!ありがとうございます!!」

 「いやいや、いいのだよ。」

 新太郎の予言は当たったようだ。

 雷太は手が震えている。
 元より超マニアに取って3年もの隔絶は非常に痛い。
 苦虫を噛み潰す思いであきらめたものが今、目の前に並んでいる事が信じられないらしい。

 新太郎はまだ笑っている。どうやら彼の感動攻撃はまだ尽きていないらしい。

 「・・・・・・しかしな雷太、お前は一つ見逃しているようだ。」

 「なに!?・・・まさか、まだあるのか!!?」

 「・・・・・・・・・これだ!」

 新太郎は自分のポケットから2枚の紙を取り出した。

 「!!!!こ、これは!!」

 どうやら、『C・O・S』のLIVEチケットらしい。

 「・・・・・・!!・・・!・・・!!!・ ・ ・ ・・・・・・・・・………!!!!・・  ・    ・・       ・    。」

 雷太は後ろにふら〜っと倒れかかった。

 「お、おい!」

 新太郎は慌てて雷太をつかみ起こした。

 「・・・・・・!はっ!・・・危ねえ、嬉し死にするところだった・・・ってか取れたのかLIVEチケット!?」

 「ああ、1週間後のLIVEだ!場所はエクセス会館(ホール)。
  ・・・・・・1ヶ月並んだんだぜ。」

 「一人で!?」

 《突っ込むところはそこか。》

 どうやら、1ヶ月でも長いほうではないらしい。ちなみに売ろうとすると異常な高値で売れる。

 「ああ、でもそのおかげで・・・・・・見ろ!座席番号A−1と2だ。」

 「マジかよっ!!?すげえなお前っ!」

 「ふふっ、まあね☆・・・・・・まあとにかく、1週間後最前列で応援しまくろうぜ!!」

 「おう!!」

 二人は拳を握り、意気投合した。



 1週間後、最前列で熱狂的に騒ぐ二人を中継TVで見て、クロが頭を抱えるのはまた別の話である。



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