「あ、これが俺達だよ。」
雷太は廊下の真ん中で光っている点を指差した。
本来は点は二つあるし名前も出るのだが、
縮尺が大きすぎるのでそれしか見えていないらしい。
ちなみに右上端に対象者である啓太が何階にいるのかが出ている。
「・・・B3F・・・・・・。
なんだ、俺達と同じ階にまだいたのか。」
「そ、そんなあ・・・。」
「まあまあ。
・・・・・・え〜っと・・・いないなあ啓太。
・・・っていうかこれ縮尺が大きすぎて多分いても分からないぞ・・・・・・?
・・・・・・・仕方ない、ちょっと探すのに時間掛かるかもしれないけど拡大しよう。
『拡大(エキスパンド(expand))』!」
画面の縮尺が少し小さくなった。
・・・・・・が、まだまだ大きすぎるようだ。
「う〜ん・・・まだか・・・・・・、
『拡大(エキスパンド(expand))』!『拡大(エキスパンド(expand))』!」
画面の縮尺がまた小さくなったが、それでもまだまだだ。
雷太は段々といらいらしてきた。
「『拡大(エキスパンド(expand))』!『拡大(エキスパンド(expand))』!『拡大(エキスパンド(expand))』!
・・・・・・・・・・・・・・・『拡大(エキスパンド(expand))』!!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
ようやく名前もはっきり見える程に縮尺が小さくなった。
今やかなり太くなった廊下の真ん中に点が二つあり、
それぞれ、右の光る点に『龍 雷太』、
左の光る点に『レイン』と名前が付いている。
「ふう、ようやくまともに・・・・・・・・・あ゙。」
「・・・・・・・・・うそ・・・。」
なんと、雷太とレインの後ろにもう一つ点がある。
「・・・・・・・・・・・・ま、まさか・・・。」
「・・・・・・そんな・・・。」
その点にはこう名前が書かれていた。
『銀 啓太』