――――――が、



 ズッ



 なんと、啓太が正面の壁をすり抜けて現れた!

 「・・・・・・・・・え・・・?」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 レインは口をぽかんと開けて突然現れた啓太を見る。

 「・・・・・・?????????・・・!!???」

 「・・・・・・・・・・・・。」

 啓太がレインへ歩み寄って来た。

 「・・・・・・!・・・きゃ、キャ―――!!」

 レインは壁を抜けて逃げ出した。



 「・・・・・・以上です。」

 「・・・はあ・・・・・・。」

 「啓太君って歩いてしかないのに凄く足が速いんですよ。
  それにまさか壁を抜けられる人がいるとは思いませんでしたし・・・。」

 「・・・だろうね・・・。・・・・・・何だろ?能力かな?」

 「・・・・・・さあ・・・、啓太君全然しゃべってくれませんしね・・・。」

 「・・・だね・・・・・・。・・・で、レインさんは此れからどうするの?」

 「あ、そうですね。
  ・・・なんとか逃げ切ってみせます!
  ・・・・・・通称『鬼事のレイン』の名に掛けて!!」

 「そ、そう・・・。(なんじゃそら・・・?)
  ・・・・・・あ!ちょっと行く前に聞きたい事があるんだけど?」

 「・・・・・・?何ですか?」